自覚を促す教育で学ぶをサポート!音楽に強い上野学園

2020年6月18日

上野学園は東京都台東区に本部を持つ100年以上の歴史を持つ学校法人で、創設者である石橋藏五郎により1904年に創設されました。
同年に女性の教育向上を目的に上野女学校を、その後1910年には上の高等女学校を開校、建学精神である自覚をモットーにした教育方針が知られています。

 

1946年に東京都によって音楽研究指定校に選ばれた

戦後は、学制改革に対応したことから1947年に上野学園中学校を、翌年に上野学園高等学校を相次いで開校しましたが、いずれも女子校でした。
遡ること1946年に東京都によって音楽研究指定校に選ばれたため、1949年に日本初となる音楽科を新設しました。
さらに1952年には短期大学部、1958年に上野学園大学を創設するなど、義務教育から大学までを網羅する総合教育機関といえるでしょう。
この他にも2007年に男女共学化を実現、少子化時代の変化に積極的に取り組むなど女子教育の枠を超えた発展を目指しています。

創設者である石橋藏五郎の建学精神と教育方針を受け継ぎます。
同氏は青森県八戸市に生まれ、わずか16歳(1891年)で小学校教員検定に合格、その後の郷里で教鞭をとりました。
1893年になると教員として技量を磨くため上京、日本体育会体操学校(現日本体育大学)に入学を皮切りに、1902年までに東京府教育界会教員伝習所や東京唱歌教員講習所、国民英学会や東京音楽学校専科(現東京芸術大学音楽部)で学び、体操や音楽、英語などの教員免許状を取得するなど総合的なスキルを身に着けています。
また日本橋常磐小学校や成城中学校など他、多数の学校での教鞭をとるなど、教員としての力量を大きく向上させました。

 

上野学園の特徴的な教育

その特徴的な教育は、現代に通じるものがあります。
代表的なのが呼吸やリズムを組み合わせた律動運動や遊戯競技、音楽遊戯と呼ばれるもので、現在でいうところの身体表現能力を駆使したダンスやリトミックを駆使した体操でした。
当時の体育といえば、軍隊式の兵式体操を意味しており、子どもたちにとって面白みのないものでしたが、石橋が提唱した体育はまたたく間に注目を集め、子どもたちは楽しんで体育を学ぶことができました。

建学精神の自覚とは、女性が各々の能力を発揮することを意味します。
創設当時の女子教育の目標といえば良妻賢母でしたが、石橋は女性が己の才能に気づいて磨き、社会や家庭で発揮することに重きをおいており、主体的に他者と関わる姿を目指しました。
男性に依存する女性という形が一般的であった時代に自立を目指した教育姿勢は、現在に通じるものを感じさせます。

 

特に音楽教育へのこだわりを伺える

それは教育カリキュラムを見れば一目瞭然でした。
一般的な女子校では家政を中心とした授業を行う中で、上野女子校は英語や理科実験、地歴などに加えて体育、競技大会や登山、臨海学校など男子校に匹敵する充実した教育カリキュラムを組んでおり、大学への進学率や就職率も全国平均を超えています。
全国の教育関係者に授業内容を公開するなど、戦前戦後の教育への貢献が高く評価され、死去後に従五位勲三等に叙せられ瑞宝章を授与されました。

これらの精神は現在でも受け継がれており、特に音楽教育へのこだわりを伺えます。
中等・高等学校では普通科に加えて音楽科が用意されており、演奏家コースと器楽・声楽コースによりさらなる学びをサポートしています。
特にすべてのベースとなる音楽基礎に力を入れており、三大要素の1つである和声に加えて音楽理論、音楽史やソルフェージュ(楽譜を読むこと)を習熟度別に学べます。
また週1回のレッスンでは60分の指導を受けるほか、声楽やピアノレッスンなど基礎的な能力を養うなど、音楽的な才能を養える充実した環境が魅力と言えるでしょう。

 

普通科コースには特別進学コースと総合進学コースを用意

普通科コースには特別進学コースと総合進学コースが用意されています。
特別進学コースでは難関国立・私立大学入学を目的に多くの生徒たちが、学んでいます。
また価値観の多様化や社会の変化に対応して情報やバイオ、芸術など他、幅広い分野の4年制大学を目指す総合進学コースも用意するなど、多彩な生徒たちの要望に応える教育体制を確立しており、それぞれの目標の実現を力強くサポートします。

上野学園の高等学校普通科での少人数制授業では、生徒ごとの学びに合わせるきめの細かい指導が特徴になっています。
また夏季冬期講習では大学進学に向けて復習と補習を行うと同時に、関心のあるテーマについて学べる特別講座を用意しており、幅広い関心と知識を身に着けます。
自覚に基づく学びをサポートするため、小テストや課題を与えるほか、1時限目の前に10分ほどのシンプルな朝学習を設けることで意欲と基礎学力の定着を図ります。

 

まとめ

上野学園大学ではグローバル人材を育成するための教養教育と語学教育に加えて、特徴とする音楽教育として演奏家・器楽コースのピアノと弦楽器、管楽器と打楽器、声楽等様々なコースを揃えています。
いずれも少人数教育であると同時に国内外で活躍する現役演奏家により、舞台でのマナーや心構えだけでなく、実践的な指導を受けられる他、それぞれに合わせたオーダーメイド教育により、着実な成長を目指せます。
 

最終更新日 2025年6月15日 by kitairu