空調設備について後藤さんに学ぶ

2021年11月29日

空調設備とは別に難しい用語ではなく、一般的にも空調という言葉は使いますから誰でも理解できるはずです。
要するに空調のための設備ということになります。
ただ、空調とは実は略語であって、正確には空気調和のことです。

空調設備はどのように作用するのか?

どのように調和させるのかと言えば、結局のところはその空間で必要とされるような空気の温度や湿度、清浄度などに調整することを意味しており、場所や用途によって異なることになります。
その中には機械とか電子機器などのために必要とされるレベルもあり、例えば精密機器とか食品や医薬品を製造している工場では空気の清浄度は一定レベル以上に高くなければなりません。
これらの製造過程では空気中の微細な塵や埃も大きな影響を及ぼすかもしれないからです。
そのためには特殊なフィルターを用いて清浄な空気を送り込んでいたり、あるいは外部から汚れた空気がその場に入り込むことのないように屋内の気圧を大気圧よりは若干高めに設定していたりします。
これも空調設備になります。

日常生活で空調機器と言えば

一方で日常生活で空調機器と言えばまずどんな人でもエアコンを思い浮かべるに違いありません。
これは別に何も間違った連想ではなく、家庭用のエアコンはそのための立派な設備の一つです。
ですが、あまりにもこれが一般的でありすぎるために、世の中の全ての設備が家庭用のエアコンそのものか、あるいはせいぜいそれをサイズ的に大型化したものだと思っている人が多いのが実情となっています。
非常に広い意味では別に両者の違いを区別する必要はあまり無いというか、一般の人にとっては同じようなものと思っていても良いのかもしれませんが、原理的にはかなり異なったものも用いられています。

比較的広い空間に特徴的な設備にダクトが挙げられる

例えばある程度以上に広い空間、劇場とか映画館、体育館のような場所の温度調整のためには、エアコンはまず間違いなくと言って良いくらいに用いられていません。
次にそのような場所に行く機会があれば、ちょっと天井付近をぐるりと見まわしてみると良いですが、自宅のリビングとか寝室にあるような装置は、たとえそれが大型化したようなものであっても全く見つけることができないはずです。
かといってもちろんそのようなスペースでは冷暖房が必要とされていないはずがありません。
人が大勢集まる場所である以上は、一般的な家庭の部屋よりもむしろ冷暖房の需要は高いと考えられます。
このような比較的広い空間に特徴的な設備に、ダクトが挙げられます。
もちろん屋内にいる人が目にすることができる場合ばかりとは限りません。
ダクトとは天井付近に張り巡らせた金属製の筒状のものであり、これで暖かい空気あるいは冷たい空気を送り込んでいるのですが、見映えは決して良くはないために、体育館とか展示会場のようにあまりそれを気にされることの少ない場所であればともかく、映画館とか劇場のように雰囲気も大事な場所では明らかに目につくようにされていることはまずありません。
ですが、天井裏に行けば嫌でも目にすることができます。

ダクトとエアコンは似ているようで異なる

このダクトで空気を送っているのですが、これはエアコンと似ているようで異なります。
エアコンは冷媒を使って熱を輸送しているのですが、ダクト式の場合は冷媒などは全く使っておらず、暖められたものかあるいは冷やされた空気そのもので熱を輸送していることに違いがあります。
冷媒を使わず、空気そのものを輸送しますので、必然的に換気も同時に行える点は大きなメリットです。
一方で既に書いたようにあまり見映えのよくないダクトを配さなければならないのはデメリットで、見映えの他、それだけのスペースを取る点もマイナスになります。
空気は気体ですから熱容量は大きくなく、十分に空調を行うためには大量に送らなければなりません。
それだけ管の太さが必要になってしまうわけです。

保守管理をしっかりしないといけない

このマイナスを考えた場合、熱の輸送に水を用いる形式もあり、広く利用されています。
水は液体ですから熱容量が十分にあり、ダクトほどには太い管を用意しなくても十分に空調を行うことができます。
一方で、すぐに考えて分かることですが、ダクトに小さい穴が空いてしまったとしてもそこから空気が漏れるだけで、空調の効率が多少落ちるだけで事が済みますが、水の配管に穴が空いてしまうと水漏れとなり、たとえわずかであっても施設利用上の大きな問題になってしまいます。
つまりそれだけ保守管理をしっかりしないといけないということになるわけです。
このように、ある程度以上に大きな空間においては、冷媒を利用する家庭用のエアコンとは原理的にもかなり異なる方式によって空調設備が用いられています。

まとめ

さらに言えば、熱の輸送方式だけでなく熱の発生方式とか、温度調節だけでなく湿度調節を行うための加湿や除湿の仕組み、二酸化炭素濃度を一定以下に抑える仕組みなどについても様々な方式があって、規模とか利用状況、コスト面などを考慮した上で最も適切と考えられる組合せが用いられているのです。

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最終更新日 2025年6月15日 by kitairu