企業野球部の選手たちにとって、遠征は欠かせない経験の一つです。日頃の練習の成果を試すために、全国各地の強豪チームと戦いを繰り広げます。そんな遠征の楽しみの一つが、ご当地グルメを味わうことです。
私自身、大手製造業の野球部に所属していた頃、遠征先で様々な地域の美味しい料理に出会いました。北海道の新鮮な海の幸、東北の hearty なB級グルメ、関東の伝統的な味わいなど、その土地ならではの食文化に触れることで、野球だけでは得られない貴重な経験を積むことができたのです。
本記事では、全国各地の遠征先で出会える魅力的なご当地グルメを紹介します。強豪チームが愛する遠征飯から、地方球場周辺の穴場グルメ、選手たちの疲れを癒すご当地スイーツまで、幅広くお伝えしていきます。また、スタジアムグルメの魅力にも触れ、野球観戦とグルメの素晴らしい関係性についても探ってみたいと思います。
強豪チームが愛する!遠征飯
北海道:海鮮丼でパワーチャージ
北海道は、豊かな海に恵まれ、新鮮な海の幸が豊富に揃う食の宝庫です。中でも、選手たちに人気なのが海鮮丼です。
ご飯の上に、イクラ、ウニ、イカ、サーモンなどの新鮮なネタがふんだんに盛り付けられた海鮮丼は、見た目も鮮やかで食欲をそそります。一口食べれば、口の中に海の恵みが広がり、選手たちのパワーを充電してくれます。
私がJPアセット証券野球部の遠征に同行した際にも、札幌市内の人気海鮮丼店に立ち寄りました。選手たちは、大盛りの海鮮丼を平らげ、「これで明日の試合も頑張れる!」と元気いっぱいに話していたのが印象的でした。
東北:B級グルメでスタミナ満点
東北地方は、ご当地B級グルメの宝庫として知られています。選手たちも、遠征先で様々なB級グルメを堪能しています。
例えば、盛岡市名物の「盛岡冷麺」は、コシの強い麺とピリ辛のタレが特徴の一品です。練習や試合で疲れた体に、このピリ辛の刺激が心地よく、選手たちのスタミナを回復させてくれます。
また、福島県の「喜多方ラーメン」も、選手たちに愛されるB級グルメの一つです。醤油ベースのスープに、厚切りのチャーシューと手打ちの縮れ麺が絡む一杯は、まさにスタミナ満点。遠征の疲れを吹き飛ばしてくれる、心強い味方です。
関東:老舗の味で英気を養う
関東地方には、長い歴史を持つ老舗の名店が数多く存在します。選手たちも、そんな老舗の味を求めて、遠征先で足を運ぶことがあります。
例えば、東京・池袋の「二八そば」は、創業80年以上の歴史を誇るそば屋です。つなぎを一切使わない、二八(にはち)の割合で作られる蕎麦は、喉越しが良く、つるりとした食感が特徴。選手たちも、この伝統の味を堪能し、英気を養います。
また、横浜中華街の老舗料理店も、選手たちに人気のスポットです。広東料理、四川料理、北京料理など、様々な中国地方の味を楽しめるのが魅力。本場の味に舌鼓を打ちながら、次の試合に向けて気持ちを引き締めていきます。
地方球場周辺の穴場グルメ
北陸:地元民に愛される絶品食堂
北陸地方の地方球場周辺には、地元民に長年愛される食堂が点在しています。それらの食堂は、観光客の目に触れることは少ないものの、絶品の料理を提供してくれる穴場中の穴場です。
例えば、富山県の「富山県営富山野球場」の近くには、「大衆食堂 高田屋」という食堂があります。この食堂では、富山名物の「ます寿司」や「白えびかき揚げ」などの料理が味わえます。選手たちも、地元の人々に交じって、これらの料理を堪能しています。
また、石川県の「石川県立野球場」周辺にも、地元民に愛される食堂が複数存在します。「手打ちラーメン 大河」は、その一つ。自家製麺の歯応えと、濃厚な豚骨スープが特徴のラーメンは、選手たちの舌を唸らせます。
中部:隠れた名店で舌鼓を打つ
中部地方の地方球場周辺にも、隠れた名店が数多く存在します。それらの店は、一見するとわかりにくい場所にあることが多いものの、一度訪れれば、その味に虜になること間違いなしです。
愛知県の「ナゴヤ球場」近くにある「味処 こころ」は、その一例です。この店は、名古屋名物の「ひつまぶし」や「味噌カツ」などの料理が自慢。選手たちも、この店の味を求めて、わざわざ足を運ぶほどです。
また、静岡県の「草薙球場」周辺にも、隠れた名店があります。「お食事処 花」は、地元で獲れた新鮮な魚介類を使った料理が売りの食堂。選手たちは、この店の「地魚の刺身定食」を食べて、練習や試合に備えます。
近畿:粉もん文化を堪能する
近畿地方、特に大阪は「粉もん」文化が根付いている地域です。たこ焼き、お好み焼き、うどんなど、小麦粉を使った料理が数多く存在します。選手たちも、遠征先の大阪で、この粉もん文化を存分に堪能します。
大阪府の「舞洲バファローズスタジアム」近くには、「たこ焼き たこ平」という人気店があります。この店のたこ焼きは、外はカリッと、中はトロッとした食感が特徴。選手たちは、試合前の軽食として、よくこのたこ焼きを頬張ります。
また、兵庫県の「阪神甲子園球場」周辺には、「甲子園うどん」と呼ばれるうどん店が複数存在します。その一つ、「甲子園うどん 甲子園商店」は、選手たちにも人気のお店。コシの強い麺と、出汁の効いたつゆが絶品で、甲子園球場での試合前に食べるのが恒例となっています。
遠征の楽しみ!ご当地スイーツ
中国:個性派スイーツでリフレッシュ
中国地方には、個性的で魅力的なご当地スイーツが数多く存在します。選手たちも、遠征の合間に、これらのスイーツを食べてリフレッシュしています。
広島県の「広島カープ」の本拠地、「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」近くには、「もみじ饅頭」で有名な「御饅頭処 おかや」があります。もみじの形をしたカステラ生地の中に、こし餡が入った和菓子は、選手たちの疲れた心を癒してくれます。
また、鳥取県の「とりぎんバードスタジアム」周辺では、「二十世紀梨ケーキ」が人気のスイーツです。地元特産の二十世紀梨を使ったケーキは、上品な甘さが特徴。選手たちも、試合後の楽しみとして、このケーキを味わっています。
四国:穏やかな甘味で癒される
四国地方は、穏やかで優しい甘味のスイーツが多いのが特徴です。選手たちも、遠征先の四国で、ホッと一息つける時間を過ごします。
香川県の「レクザムスタジアム」近くには、「和三盆ソフトクリーム」で知られる「御菓子処 あわや」があります。香川県特産の和三盆糖を使ったソフトクリームは、上品な甘みが特徴。選手たちも、この優しい味に癒されています。
また、愛媛県の「坊っちゃんスタジアム」周辺では、「いよかん大福」が人気のスイーツです。地元産のいよかんを使った大福は、爽やかな味わいが魅力。選手たちは、試合の合間に、この大福を食べて気分転換を図ります。
九州:郷土菓子で旅情を味わう
九州地方は、その土地ならではの郷土菓子が豊富な地域です。選手たちも、遠征先の九州で、これらの郷土菓子を味わい、旅情を感じています。
福岡県の「福岡PayPayドーム」近くには、「博多通りもん」というお菓子の老舗があります。明太子を使った「めんたい煎餅」や、博多名物の「よかろうもん」など、福岡らしい菓子が揃います。選手たちも、この店の菓子を食べて、博多の味を堪能します。
また、鹿児島県の「鴨池公園野球場」周辺では、「かるかん」が有名な郷土菓子です。サツマイモを使った素朴な味わいのかるかんは、選手たちの心を和ませてくれます。遠く鹿児島まで遠征に来た感慨を、このかるかんを食べながら噛みしめるのです。
思い出に残る!スタジアムグルメ
地元食材を使った限定メニュー
各地のスタジアムでは、地元の食材を使った限定メニューが提供されています。それらのメニューは、その土地ならではの味わいを楽しめる、ファンにも選手にも人気のグルメです。
例えば、北海道の「札幌ドーム」では、北海道産の食材を使ったメニューが豊富に揃います。「ザンギ丼」や「ジンギスカン丼」など、北海道ならではの味を球場で味わえるのは、ファンにとっても嬉しい限りです。
また、宮崎県の「KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎」では、宮崎名物の「チキン南蛮」をアレンジしたメニューが人気です。「チキン南蛮バーガー」や「チキン南蛮丼」など、スタジアムならではの工夫が凝らされています。
球場グルメで盛り上がる応援
スタジアムグルメは、野球観戦の楽しみの一つでもあります。おいしいグルメを食べながら、熱い応援を繰り広げるのは、ファンの醍醐味と言えるでしょう。
例えば、広島県の「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」では、「カープうどん」が大人気のメニューです。真っ赤なカープカラーのうどんを食べながら、選手たちに熱い声援を送るファンの姿が印象的です。
また、福岡県の「福岡PayPayドーム」では、「とり皮」が人気のグルメです。パリパリとした食感のとり皮を頬張りながら、熱心に試合を観戦するファンの姿は、球場ならではの光景と言えます。
試合観戦のお供に欠かせない一品
スタジアムグルメの中には、野球観戦のお供として欠かせない一品もあります。長時間の観戦を支える、頼もしい味方と言えるでしょう。
まず、ビールは多くの球場で人気のドリンクです。炎天下での観戦では、冷えたビールが何より恋しくなります。球場ならではの雰囲気の中で飲むビールは、格別の味わいです。
また、焼きそばやホットドッグなどの定番メニューも、観戦のお供として人気があります。手軽に食べられ、程よいボリュームがあるこれらのメニューは、長丁場の試合を乗り切るための強い味方となってくれます。
私自身、現役時代は球場グルメを食べる余裕はあまりありませんでしたが、引退後に観戦に訪れた際には、これらの定番メニューを楽しみながら試合を観戦しました。プレー中は感じることのできなかった、ファンの視点からの野球の楽しみ方を実感できた瞬間でした。
まとめ
企業野球部の遠征先で出会えるご当地グルメは、選手たちにとって欠かせない楽しみの一つです。北海道の海鮮丼から沖縄のタコライスまで、その土地ならではの味を堪能することで、野球漬けの日々に彩りを添えています。
また、地方球場周辺の穴場グルメや、ご当地スイーツなども、選手たちの心を癒す大切な存在です。練習や試合で疲れた体を、美味しい食事で癒やし、リフレッシュすることで、次の戦いに向けてエネルギーを蓄えているのです。
そして、スタジアムグルメは、選手だけでなく、ファンにとっても欠かせない存在です。地元の食材を使った限定メニューを味わいながら、選手たちに熱い声援を送る。そんな野球観戦の醍醐味を、スタジアムグルメが支えているのです。
企業野球部の遠征は、野球だけでなく、食の面でも選手たちに多くの学びと発見をもたらしてくれます。各地のグルメを通して、日本の食文化の多様性や奥深さを実感できるのは、野球人生の中でも貴重な経験と言えるでしょう。
今後も、全国各地のグルメを味わいながら、野球に励む選手たちの活躍から目が離せません。彼らが遠征先で出会う美味しい食事が、良い結果につながることを願ってやみません。
最終更新日 2025年6月15日 by kitairu